
皆様は日々新たな想いでご活躍のこととお喜び申し上げます。
ぼくは五月下旬ネパールから帰国し、秋にはまた赴く予定です。
現地は政局が少しは安定しつつありますが、六月に予定されていた新政府による総選挙は実施されず、いつ行うかの見通しも立っていません。一部の富裕層は生活を謳歌していますが、半分以上の人々は仕事がなく生活に追われています。それにしても若い人たちの多くが携帯電話を持っているのには驚きです。それは日本よりずっと高価で、機能もいっぱい付いています。国王が退いてから急速に普及しはじめました。
ここは益々ちぐはぐな国になっていくように思われます。そして、この山国にも激しい物流が渦巻いているのですが、春を飛び越えて夏が来たように暑い日がつづき、温暖化が叫ばれている世界に、不安を感じないわけにはいきません。
ネパールの人々の多くは殆ど仕事がありませんが、金のある親戚や知人を頼ったりして、やり繰りしているように思われます。自国に希望を見出せない彼らの多くは別天地へ出国すること-それはとても困難なことですが-に憧れ夢みているようです。とくに日本に対してその思いは強く、彼らはいまだにわが国のことを黄金の国のように思い描いているのです。しかし、なぜか金のある一握りの人たちが日本に来て不法滞在しているのも事実です。
ぼくは、世の中の人々が金儲けだけでなく一大奮起をしない限り、近未来において大変な事態になるように思えてなりません。人心の荒廃が加速している日本、ぜいたくな暮らしを希求してやまないネパールを目の当たりにしていると、ほんとに切なく悲しくなります。
「それでも‥‥、私はリンゴの木を植える」と、心ある人々は懸命に≪明日≫を植えています。今までは地球を開拓する時代でした。これからは、人類が内に秘めている心を開拓し展開させる時代を迎えているのだと思います。二つの国に生きて、そのことを今、ぼくは痛切に感じています。ご支援を下さる皆様のお言葉からもそれを実感して、勇気を得ています。
しかし支援の方々も、高齢も重なって少なくなり、ぼくの体も益々弱り重度になっていきます。でも差別や貧困を撥ね除けてしまう元気な子どもたちに真向かっていると、いま一歩、歩を進めたく決意を新たにするしだいです。
皆様のより心強いご支援を切にお願い申し上げます。
2007年6月
兵庫県宝塚市の自宅にて 岸本康弘
0 件のコメント:
コメントを投稿